韓国ポップスの女の子4人組Fin.K.L(韓国読みでピンクル)を紹介したい。
韓国ポップス界の女の子グループといえばS.E.Sの3人組がいるが、日本進出を目論み約2年間の活動をしたが残念ながら失敗に終わった。(但し、2001年からはavexに移籍するので化ける可能性はあり)このFin.K.LはS.E.Sと同時期に韓国で活動をして互いに人気を分けたほどのアイドル・グループである。
初めてFin.K.Lを見たのは韓国の音楽番組でのプロモ・ビデオだった。アイドルらしくフリフリの衣装にキラキラの瞳、そしてとびきりの笑顔。どうも私の趣味ではないな、というのが第一印象だった。ところが、ある日同じテレビで『BLUE RAIN』という曲のプロモが流れていた。あら?R&Bぽくって良い曲じゃなの。と思って画面を見ると何とこれもFin.K.Lだった。
それ以来、何となく気になるグループになったのだが、なにしろ瞳キラキラのアイドルである。人に薦めなどしたら、いい歳して何を言ってんだか。と笑われるどころか軽蔑すらされそうなほどのバリバリのアイドルだから戸惑ってしまうのであった。
今回、ある人から彼女たちのレコードをいただいたのと、自ら購入したのとを改めて聴いてみて、自信を持って紹介できる確信を得た。彼女たちは素晴らしいボーカル・グループであると断言していいだろう。
彼女たちはイ・ヒョリ、イ・ジン、オク・チュヒョン、ソン・ユリの4人組なのだが、中でもオク・チュヒョンの歌唱力はずば抜けて素晴らしい。全体的に彼女の占めるボーカルの割合は70%で残り30%を3人が担当、と言って良いほどこのグループは彼女に頼るところが大きい。ビジュアル的にはまた違った結果になるのだろうが、ことボーカルにおいての彼女の存在はあまりにも大きいようだ。
オク チュヒョンは1980年生まれらしいのでその若さから考えると素質の高さは今後恐ろしいほどの可能性を秘めている。
韓国ポップス界には歌唱力の高いアイドルも数多い。先のS.E.Sにも歌唱力の要となるパダという女の子がいる。彼女も歌唱力はあるのだが、彼女の歌の巧さは演歌を基盤にした巧さだ。オク・チュヒョンの巧さの基盤はというとR&Bからきているようだ。分かりやすくというとパダの歌のノリは「横ノリ」だが、オク・チュヒョンのは「縦ノリ」。パダのリズムは、1拍目と3拍目だが、オク・チュヒョンは、2拍目と4拍目。というぐらいの違いがある。『BLUE RAIN』と言う曲は、モータウンの香りすらする曲で、古い年代の方にはグラディス・ナイト&ピップスの『夜汽車よジョージアへ』を彷彿させる曲と言えば理解してもらえるかもしれない。
こんなにも若い女の子が情感たっぷりにモータウンさながらの歌唱力を持っていることはただ驚ろくばかりだ。今後Fin.K.Lがどのように成長していくか、オク・チュヒョンがどのようなDIVAになっていくのか、とても楽しみである。
韓国ポップスということでなかなか入手する機会は少ないかもしれないが、Fin.K.Lという名前だけは覚えていただきたい。韓国旅行に行った時に、1枚だけ買おうかという方にはデビュー・アルバムの『BLUE RAIN』をお奨めする。2枚目の『永遠の愛』はかなりアイドル路線で今イチかも。3枚目の『NOW』も相当R&Bぽい仕上がりになっている。
日韓交流が流行り言葉のようになりつつあるこの頃だが、くれぐれも日本進出だけはやめてもらいたいものである。きっと「韓国のMAX」なんていうキャッチ・フレーズをつけられてしまうであろうし、このキャッチをつけた段階でMAXより上には行けなくなるわけだから。MAXよりは数段上のレベルの女の子たちだから大事に育てて欲しいものである。
ちなみにFin.K.LとはFine Killing Libertyの略。
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