余計なお世話
その後、少年はちょっと離れた川沿いの公園のほうに歩いて行ってしまった。父親も少年も見えなくなったので、そのまま散歩を続けていたが、帰り道にさしかかった頃、やはり心配になったのだろう、キョロキョロしながら自転車で少年を捜している父親を見かけた。黙ってすれ違おうかなと思ったが、すれ違いざまに声をかけてしまった。「あっちの公園のほうに向かわれたようですよ」と。その父親はビックリした様子だったが、小声で「すみません」と言って行ってしまった。
声かけてから思ってしまった。余計なお世話だったかもしれないよなぁって。他人に知られたくないことって誰にでも、どの家庭にもあるよなぁ。ちょっと軽はずみだったかもしれないなと、ちょっと苦い気持ちのまま朝の散歩を終えた。