職業に貴賎ナシ・・・のはずだし、少々の疑問はあっても、そう思わないようにしなくてはと自制心のようなものが自然に自分の中にはある。
しかし、この頃はどうも、貴賤と言ってしまうと語弊があるし穏やかではないが、それに近いものってあるのではと思ってしまう。
そう思うようになってしまったのは、サービスの格差によることもあるが、それ以上に、その仕事に就いていて楽しくないのだろうなということが安易に見えてしまうからだ。要するに仕事を楽しくしてない人が多いのでは?と思うのである。
数ある職業の中から、自分に合った仕事、自分の好きな仕事を選べる人は良い。しかし、ここまで不況になってくると、そうそう好きな仕事に出会うことは少ないのかもしれない。そうなると、経済的な面からの取捨選択をしなければならなくなる。
好きな仕事ではないが経済的に選り好みしてられないからと、その仕事に就く。案の定、仕事を始めてみるとやはり好きで選んだ仕事ではないから面白くない。面白くないから、仕事に愛情がない。愛情がないから、仕事をしてての笑顔も減る・・・といった悪循環が繰り返される。
職業に貴賎ナシ・・・要は、好きで仕事をしていれば貴賤などないのだが、仕方なく嫌々仕事をしていると貴賤のようなものが生じてくるのである。自分自身が賤しめていると言うか何と言うか・・・。
大昔の私めの数少ない尊敬できる上司の話。とある職業に就いている人の営業態度があまりに悪いので、帰りの車中で上司に腹立たしいと愚痴を言ったところ、その上司曰く「しょうがないよ。だから、あの仕事してるんだから」と。時間にしてみればたった2秒にも満たない言葉でモヤモヤを解決してくれた。その言葉が良いか悪いかはともかく、先の貴賤のベースに関わることなのかなとその時に思ったのである。好きでやってないのだから仕方ないさ。望むほうが無理・・・と言うことなのだろう。
私めは、この上司から他にも、一生懸命やったけど出来ませんでした・・・は全く評価されないことも学んだ。数少ない貴重な存在の方だった。
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