被災地通行手形

被災地支援のために実施された東北方面への高速道路無料システム。これがどうにもマズイことになっている。
被災地に関わる人達の被災地への高速道路利用に関しては、関連書類の提出による通行手形的な書類を高速道路料金所に掲示により利用料金が無料になる。これについては、問題も特にないらしい。
問題が起きているのは、被災地支援のために関連物資や復興工事資材などを運ぶ大型トラックの利用料金無料に関してだ。
こちらのほうは、乗用車のように車と運転者を特定するのが難しい。関わる業者も変われば運転者も変わる。従って、乗用車のように通行手形を作ることが出来ない。
その結果、実施されたシステムは、被災地への出入り口の料金所を通過する大型トラックは、全て被災支援関連者と見なし無料とした。
このことにより、被災地支援に関係ない大型トラックまで無料の恩恵?を受けることが出来るようになってしまった。
その一つの料金所が水戸インターチェンジ。このインターで降りるか乗るかすれば全ての大型トラックが高速料金無料となるのである。
例えば、埼玉から鹿児島まで支援に関係なく通常の業務で荷物などを運ぶトラックがいた場合、一般道で埼玉から水戸まで、鹿児島とは反対方向に向かう。そして、水戸インターから高速に乗る。そして、水戸から東北道→首都高速→東名高速→阪神高速・・・と高速道路を乗り継げば、首都高速の通行料金の支払いだけで鹿児島まで行くことが出来てしまうのである。
テレビのワイドショーなどでは、これらの大型トラックの通行を「悪質」として報道している。しかし、どうなんだろう。悪質と決めつけてしまって良いのだろうか。制度の隙間を抜けることが悪質と言えるのか個人的には疑問である。悪質の理由としては、不正通行ということで悪質となっているようである。みっとも良いことではないが、悪質として言い切ってしまって良いのか?その点は大いに疑問である。
そして、その悪質批判の風潮は、この制度を考え実施した政府にまで及んでいるようである。これらの状況を受けて政府が下そうとしている対策は、こうだ。
これ以上、この状況が続くようであれば、8月いっぱいをもって、現状の無料通行制度を廃止する・・・そうだ。
本来であれば、起こり得る可能性までシミュレートして新制度実施する。民間企業が新しいことをする場合は、ごく普通に行っていることを何故、国レベルだと出来ないのか?
そして、その制度に不備が見つかった場合は、簡単に廃止するのではなく、制度の見直し案を何故、見つけようとしないのか?
簡単に廃止してしまえば、本当に復興支援を行ってる業者の大型トラックも無料ではなく有料になってしまう。そこから先、起こり得ること・・・それらを何故、思い考えつかないのか。ホント、理解に苦しむ。
どうなるんだろう、この制度。
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