
大阪府の泉佐野市が家庭で飼われている犬に税金を課す「飼い犬税」を検討しているらしい。そもそもの発端は、犬の放置ウンチのようで、過去に再三、注意を促していたようだが、いっこうに改善される様子はないので、このまま改善がなされない場合は、2年後の導入を検討しているとか。
この市には今現在、約5400頭の飼い犬が登録されているとか。1月から環境美化条例で、犬のフンを放置した違反者から1000円を徴収することになっていたが、実際に徴収された事例はなかったとのこと。
もちろん、財政難からの苦肉の策ではあろうが、ちょっと本末転倒な気がする。
まず、税金を徴することで何を望んでいるのかが分からない。税金化すれば、まず間違いなく放置ウンチは今現在よりも増えるだろう。「税金払ってるんだから、市が処理すれば良い」と考える飼い主が増えるのは明白。
この市ではないが、今現在、ボランティアで曜日を決めて放置ウンチ拾いをしているサークルもあるが、それらのサークルによれば、ウンチ拾いの前日は、普段の日よりも放置ウンチが多いとか。そう、明日拾ってもらえるから、放置しっ放し・・・なる発想なのである。これが納税となれば、更に権利なるものを主張してウンチを拾わない買い主が増えるのは確実と言えよう。
市では、狂犬病予防接種の際、同時に飼い主から徴収することを検討しているとか。益々、予防接種や飼い犬登録をする人が減るように思われるのだが・・・。税金払いたくないからと、愛犬を処分する飼い主も出てきそうである。
集めた税金は清掃員や見回り人員の強化費用に充てるようだ。放置ウンチ容認前提での税金のようである。
市長の頭の中には、ドイツを始めとするヨーロッパの飼い犬事情とかを思い描かれているのであろうが、実際に現地に足を運び、町の中がどれほどウンチだらけなのかも自身の目で見て欲しいものである。
この飼い犬税だが、今回が初めてではない。実は、1955年には2686の自治体で「飼い犬税」が設けられていたことがある。その後、徴収コストなどが理由で相次いで廃止。1982年3月末に長野県旧四賀村(現松本市)が廃止したのが最後となった。
その松本市では、1978年度に導入。1頭あたり、年間300円の税金を徴収していたが、野犬と飼い犬の区別がつかないため、正直に申告した人と、そうでない人とで不公平が生じるという意見も当然出て、わずか4年で廃止となったといういきさつがある。
さて、どうなることやら。
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