祈りの幕が下りる時
ネタバレ度:★(3点が全バレ)
満足度:★★★★(5点満点中)
1976年(昭和51年)に公開された角川映画『犬神家の一族』。この時から使われた角川映画のキャッチコピーが「読んでから見るか、見てから読むか」だ。実に名コピーだなと今でも思う。原作を読んでから映画を見るか、映画を見てから原作を読むか・・・映画ファンにしてみれば常に迷う選択だ。
東野圭吾さん原作の新参者シリーズの最後とされている『祈りの幕が下りる時』の映画を見た(といってもDVDでだが)。この作品については、読んでから見たとなった。う~ん、どうなんだろ?読んでから見てで良かったのか、見てから読んだほうが良かったのか、どちらがより良かったのか大変迷うところである。
映画版についていえば、松本清張さん原作、野村芳太郎監督による『砂の器』(1974年・昭和49年)の香りがプンプン漂っている。日本映画特有の重さや暗さをじゅうぶんに持ち合わせた作品だ。ということは・・・実に自分の好みの内容であるといえよう。なにしろ重いのや暗いのが大好物だから。
テレビや映画でシリーズ化されている作品は、お馴染みのテーマ曲が流れてくると妙な安心感を持ってしまえるのも楽しいところだ。しかも、この映画はエンドロールで、テレビドラマに登場していた俳優らのカメオ出演もある。ここでネタバレさせてしまうが、テレビドラマで登場した寺田時計店の授業員役の恵俊彰さんとその家の飼い犬、柴犬のドン吉らしきもカメオ出演している。しかし、テレビドラマの放映が2010年(平成22年)だから今から8年前の話である。その8年の月日の中で、寺田時計店の店主役の原田芳雄さんは亡くなられている。そして、柴犬のドン吉。当時、仔犬ではなかったから、恐らく10歳以上のシニア犬になっているはずである。しかし、カメオ出演した柴犬は見るからに若々しかった・・・ということは、たぶん・・・と考えてしまうのが柴犬マニアの悲しい性(さが)なのである。
相変わらず脱線ばかりなので、映画のことも少々。
松嶋菜々子さん演じる浅居博美役の14歳時代を桜田ひよりさんが。20歳時代を飯豊まりえさんが演じているが、桜田ひよりさんが抜群にイイ演技をしている。これはメッケものだった。この映画だけに関していえば、彼女のが間違いなく助演女優賞だろう。悲劇の始まりを見事に演じていた。3人の女優が演じる浅井博美だが、それぞれ年代の違う浅井博美なのに、どの時代の浅井博美も“泣き方”が同じだったところに、福澤克雄監督の演出力を感じた。
事件の謎解きの最高潮あたりで、「匂い」、「汚れ」、「腕力」などについて納得いかない部分もあったが、このシリーズのファンなので堅いことは抜きに楽しめたのは事実である。演技については、男優陣よりも女優陣のほうが光り輝いていたと思う。常連である金森登紀子役の田中麗奈さんも出番こそ少ないがキラリと光っていた。加賀恭一郎(阿部寛さん)は金森さんと結婚するのでは?・・・なんて密かに思っている自分である。
2018年公開。
上映時間:119分。
主題歌 -:JUJU 『東京』
■ 予告編:
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2005年11月4日(金)の大福日記
※大福日記『日々徒然』より
2005年11月4日(金)■ フェードイン・フェードアウト ■ 大福:生後1296日目
散歩していると様々な犬たちと飼い主さん達に出会う。犬の名前も知らなければ飼い主さんの名前も知らないというのがほとんどだ。そんな関係だが、出会えば会釈したり犬に触ってみたりと挨拶を交わす。もちろん、犬たちもそれなりに交友を深めたりしているように見える。
しかし、中には生き方が不器用なのかどうか知らないが、挨拶をしても全く無反応な飼い主さんもいたりする。その癖、公園で遊んでいるとフニャ~と近くに寄って来て、犬を遊ばせようとしたりしている。仕方がないから挨拶しても、それでも無反応(というより無視だな)。そして、他所の犬たちにさんざん遊んでもらって満足すると、これまた挨拶もしないでフニャ~とどこかに行ってしまう・・・。おいおい、いい歳してそれはなかろうて。こういう無礼な年配者(あっ、言っちまった)はホント嫌いなので遠くからこっちに寄って来るのが見えると、これ見よがしに大福を呼び寄せて踵を返して場を離れているこの頃である。かく言う自分も相当大人げないのだが、年長者は年長者として生きなければいかんのだよね。人のふりみて我がふり直せ・・・だよね。
今日も現地調達のオモチャで遊ぶ大福だが、これでちゃんと見えるのだろうか?
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