EMERSON LAKE & PALMER / 1972.7.22 / 後楽園球場
共演(前座)でFREEが出演したのだが、1年前に日本のロック史を変えるぐらいのコンサートをしてくれた姿はそこにはなく、ひどい状態(手抜き)でFREEは再来日した。メンバーは、ポール・ロジャース(Vo.G)、サイモン・カーク(Dr)、ラビット(Key)、山内テツ(b)の4人なのだが、当時のFREEは解散、再結成問題のさなかの来日だったと思う。ギターには、オリジナル・メンバーのポール・コゾフが来日するはずだったが、結局、姿は現さずにギターをポール・ロジャースが担当して、どうにかその場を切り抜けた印象しか残らない演奏をやってしまった。
FREEの手抜き演奏が終わって、いよいよEL&Pのステージだ。1年前のGFRのコンサートよろしく今回も雨混じりのコンサートだ。ステージはセカンドベース上、客席はスタンドのみ。これもGFRの時と同じだ。遠目で見てもキース・エマーソンのキーボード類が壁のごとくステージ上に並んでいるの圧巻だった。
歓声の中、1曲目『ホウダウン』が始まる。来日記念盤ともなった『トリロジー』からのこの曲はまさにオープニングにふさわしく、弾き始めのキース・エマーソンのシンセサイザーの音で会場はすっかりEL&Pの世界に引き込まれる。
興奮冷めやらぬうちに2曲目。聞き覚えのあるイントロは『タルカス』。会場は大興奮なのだが、皆んなの興味は「タルカス」がフル・バージョンで演奏されるかどうかにあった。演奏が進むにつれてどうやらフル・バージョンで演奏することが分かり、再び大興奮となる。
「タルカス」の後は、1stアルバムからグレッグ・レイクの叙情的(当時そう言われていた)なボーカルをフィーチャーした『石をとれ〜ラッキー・マン』と続く、そしてついに『展覧会の絵』のフル演奏に突入する。
「展覧会の絵」のイントロで場内は完全にヒート・アップするのだが、途中、キース・エマーソンがNICE在籍時からのお馴染みのパフォーマンス、ハモンド・オルガンの鍵盤にナイフを刺して音をキープするという場面では日本公演用に日本刀を使ってのサービス精神を見せてくれた。更にミニ・ムーグのシールドを長くしてステージから降り、ピッチャーズ・マウンドのあたりまで出てきてムーグのソロ演奏をするなど、気難しいと噂されていたキース・エマーソンのサービス精神旺盛なパフォーマンスは意外な驚きでもあった。
「展覧会の絵」が終了して、コンサートは終了。最近のコンサートと違ってアンコールを求める手拍子はおざなりではなく、当時の客たちは手が痛くなるほどの手拍子でアンコールを求めていたのが思い出される。
そして再びEL&Pの3人が登場。アンコール曲はNICE時代の名曲『ロンド』。この曲もキース・エマーソンの独演場だった。
演奏時間は90分程度だったと思うが、またしても後楽園球場のコンサート史に新たな1ページを加えた感動的なコンサートであった。
■演奏曲目■
-ホウダウン
-タルカス
-石をとれ〜ラッキー・マン
-展覧会の絵
アンコール:
-ロンド
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