すぐわかるあなたの犬の知能指数 / メリッサミラー著・高橋恭美子訳(再掲)
犬に関する本はたくさん読んだが、カタログ的な本や躾けの本やら、病気・食べ物のジャンルがほとんどといって良いだろう。そんな中でこの本『すぐわかるあなたの犬の知能指数』はかなり考えさせられた本である。ただ、初めて読んだ2003年(なんと16年前である!)にも書いた通りだが、あまりにもタイトルが悪すぎる。愛犬家のほとんどは愛犬の知能指数など知りたくもないだろうから、このタイトルだけで敬遠してしまう愛犬家が多いことだろう。中身がかなり良い本だけにこのタイトルはホント、いただけない。残念な限りである。
この本に初めて出合った2003年(平成15年)当時、我が家の愛犬柴犬・大福はまだ1歳。その当時を思い出しながら久しぶりにまた読んでみようかな。
この本、ホントお勧めである。
---------- 以下、2003年6月23日に初掲載 ----------
犬を飼っていたり、犬が好きな人以外は一生読む必要もない本だろう。しかも訳本だし日本語タイトルもいかさない。いくら犬好きでも犬の知能指数など興味もない。自分の愛犬が一番なのだから知能指数などで優劣や比較などはしたくもない。
だからこの本の存在は知っていたが、タイトルから毛嫌いして読む気にはなれなかった。しかし、ある人から犬を飼う上でかなり役立つことが書いてあるから読んでみたらと薦められ借りて読んでみた。そして目からウロコ。
犬が喋れると言ったら、犬に興味がない人はもちろん、犬を飼っている人ですら「そんな馬鹿な」となるだろう。それは言葉という概念で考えるからだ。例えば異国の地で全く言葉が違う人種に意思を伝える場合、言葉という手段よりも目や表情、身振り手振りで伝えることになるのだと思う。
犬も同じで人間の言葉は喋らないが、鳴き声や泣き声、目、仕種で自分の意思を人間(飼い主)に伝えることはしているに違いない。問題は飼い主側がそれを理解しようとしてるかどうかだ。多くの飼い主は「馬鹿な」で終わってしまっているのだろう。犬とのコミュニケーションを先入観からしようとしない飼い主、これほど哀れな飼い主はいないだろう。
知能指数なんてくだらないと思って読んだこの本には、知能指数を計るためのいくつかの設問がある。この設問がなかなか曲者で飼い主にしてみれば、なるほど犬をこのような目で見なくてはならないのか。なるほど犬にはこのように接することも必要なのか。なるほど犬はこんな風に考えての行動しているのか。などと、なるほどのオンパレードだ。そして、過去に語られた犬に関するたくさんの言葉も紹介されている。これがまた面白い。
こんな寓話があった。
この世に最初に登場した男女に与えられた膨大な仕事の中のひとつに動物たちの役割について決めるということがあった。男女のところに動物の代表が集められたその瞬間、人間と動物たちの間に大きな地割れが起きて両者を分断した。男は叫んだ。「自分と共に生きたいものは、割れ目を飛び越えてこっちに来い」と。だんだんと広がっていく割れ目を命がけで飛び越える意思と勇気を持っていたのは犬だけだった。飛び越えた犬は前足だけ地面に触れてぶら下がった状態だったが男に手を差し伸べてもらい引き上げてもらった。これが犬と人間の長い付き合いの始まりだという。
馬鹿げていると言ってしまえばそれまでだ。しかし、この本には未熟な飼い主が気づいてもいないたくさんの犬飼いのヒントが隠されている。
目次:
■ はじめに
■ 賢い犬
賢い犬の脳と感覚能力
賢い犬の思考力
英雄としての賢い犬
訓練における賢い犬
賢い犬とテレパシー
■ 決定版犬のIQテスト
1.視覚的状況判断能力
2.聴覚的状況判断能力
3.社会性
4.家庭生活への適応性
採点表
結果分析
犬のIQ換算グラフ
犬のIQランキング表
■ 人と犬、その交流の歴史
神話と実生活における犬のさまざまな役割
犬の最大の役割
■ 決定版犬の飼い主IQテスト
1.犬の飼い主としての素質
2-aあなたは犬をどれだけしつけられたか?
2-b犬はあなたをどれだけしつけられたか?
3.献身度
4.思いやり
採点表
結果分析
飼い主のIQ換算グラフ
飼い主のIQランキング表
飼い主のタイプ別お薦め犬品種
■ 犬を飼うことで得られること
聡明な飼い主
犬たちがわたしたちに教えてくれること
伝説における高潔な犬
犬を飼うことで得られるそのほかのこと
犬の唯一の欠点
訳者のあとがき
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